顎関節症の定義

顎関節症とは

顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靱帯障害、関節円盤障害、変形性関節症などが含まれている(日本顎関節学会)。
顎関節の運動時の疼痛、関節雑音、顎運動障害を主症状とし、慢性に経過する多病因性の症候群である。表現型は同じでも種々の病因が考えられる。

☆開口度(口があく大きさ)
正常は40㎜以上。一般に、男性で40㎜以下、女性で38㎜以下を開口障害と位置づける。

顎関節症の分類


(1) 顎関節学会の分類

I 型… 咀嚼筋障害を主徴候とする顎関節症で、その病理は筋スパズムと筋炎である。顎関節に形態学的な異常はなく、主症状は筋痛である。運動時痛と運動障害を生じることがある。
II 型… 関節包、関節靭帯、関節円板の伸展や捻挫による病変を主徴候とする顎関節症である。顎関節部の運動痛、圧痛が主症状で、運動障害や関節雑音、筋痛を伴うこともある。
III 型… 関節円板の転位や穿孔、線維化を主徴候とする顎関節症である。筋痛はなく、顎関節部の疼痛は弱い。関節雑音が特徴的である。関節円板の復位を伴うかによって、さらに2つに細分化される。
III 型a… 復位性関節円板転位。関節円板が復位するときにクリックと呼ばれる関節雑音を生じる。
III 型b… 非復位性関節円板転位。関節円板が復位せず、そのためにクローズドロックを生じる。
IV 型… 関節軟骨の破壊、下顎窩や下顎頭の骨吸収や変性・添加、関節円板や滑膜の変形などを主徴候とする顎関節症である。臨床所見では、クレピタスと呼ばれる関節雑音が特徴的で、X線検査でも異常が認められるようになる。
V 型… 上記の I ~ IV のいずれにも分類されない顎関節症で、心身医学的要因などによって顎関節部に異常をきたしたものも含む。

Wilksの分類

STAGE I… ・軽度の前方転位
・相反性クリック
・開口初期にクリック
・正常な形態
STAGE II… ・疼痛性クリック
・開口中期~末期にクリック
・間欠的ロック
・円板転位の伸展
STAGE III… ・クリックの消失
・持続性ロック
・関節や筋の疼痛、頭痛
・開口障害
・関節円板の変形
・滑膜炎と軽度癒着
・軟骨軟化症(grade I ~ II )
STAGE IV… ・クレピタス
・慢性疼痛、顎機能障害
・関節円板の著しい変形
・滑膜炎
・広汎な癒着
・軟骨軟化症(grade III )
STAGE V… ・硬性クレピタス
・関節痛、筋痛、頭痛
・開口障害
・円板の穿孔
・広汎な癒着
・軟骨軟化症(grade IV )
・下顎頭、関節結節、関節円板の変形

治療


症状にあわせてリハビリテーション、薬物療法(鎮痛薬、筋弛緩薬)、スプリント療法(マウスピース)、関節腔内洗浄、薬剤注入を行います。



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