歯周病
- 位相差顕微鏡を用いて歯周病の原因となっている細菌の種類や数を確認
- 細菌を除去するための薬剤(抗生物質)の内服
- ご自宅で細菌除去効果の高い歯磨き粉(カビとり歯磨き剤)をもちいたブラッシング
- 歯科医院でのメンテナンス(歯石とり・クリーニング)
- バイオフィルムの除去
- 歯周病菌の温床であるバイオフィルムを破壊して口腔内の雑菌の数を大幅に減らします。
- 殺菌効果
- 歯周病菌の細胞を構成するタンパク質に作用して、歯周病菌を根本から破壊します
- 消炎効果
- 炎症を引き起こす免疫機能にも作用し自然治癒力を高める
- プラークの再付着を防ぎ、むし歯予防
- 歯周病予防
- 歯周疾患の治癒促進
- 口臭改善
- 歯周ポケットの奥深くの歯石や細菌まで徹底的に取り除くことができる。
- 手術後に歯茎が下がってしまい、知覚過敏を起こす可能性が生じる
- 手術後のメンテナンスを怠ると、歯周病の進行スピードを加速させてしまう。
- 手術後、麻酔が切れたときに痛みが生じることがある。
- 歯周病で失われた骨や歯周組織を再生することができる
- 副作用や感染症については世界40か国でも報告例がなく、安全な治療と言える。
- すべての骨が再生できるわけではない。(再生できる骨は約50〜90%)
- 喫煙している人の場合、治療を行っても骨や組織が再生しにくい
- 治療後にメンテナンスをしなければ、また戻ってしまう
- 保険が適用されず、自費扱いになる
今や成人の80%以上が罹患していると言われている歯周病ですが、一言で「歯周病」と言っても、その原因となってる菌の種類や進行状況により症状も治療法も大きく異なります。
比較的初期の段階であれば身体への負担も経済的な負担も少なくてすみますが、症状が進んでしまうと大掛かりな治療が必要になることがほとんど。最悪の場合は抜歯をせざるを得ない状況になってしまいます。
歯周病は、特に女性の方が罹患しやすいと言われており、更に親子、夫婦間で感染する病気ですので、母親が歯周病で歯を失った経験のある場合、お子さまに歯周病菌が感染してしまっている可能性も考えられます。
歯周病は初期の段階では自覚症状が出にくいので発見が遅れがちです。少しでも気になることがあれば早めに対処するようにしましょう。
当院では、歯周病の進行段階や患者さまのご要望に合わせ、さまざまな治療手段をご用意しております。ご不安な事やご要望がございましたらお気軽にご相談下さい。
【担当衛生士制】患者さま一人ひとりに専属の衛生士が付いてケアをします。
当院では、一人の患者さまを専属の衛生士が担当する「担当衛生士制」を採用しております。
患者さまのお口の中の記録は院内でもしっかり管理しておりますが、たとえ写真や文章などで詳細に記録していたとしても、やはり同じ人が経過を追って担当していた方がお口の中のちょっとした変化にも気が付きやすいからです。
歯の磨き方・食事の傾向・生活のリズムや習慣などは、患者さま一人ひとり異なります。
担当の衛生士はそういった患者さまの背景も考慮しながら、効果的に治療やケアができるようにアドバイスや処置(PMTC)を行わせていただいております。
歯周病の検査
位相差顕微鏡
位相差顕微鏡は、お口の中に入るさまざまな菌を生きたまま観察することができる機器です。
位相差顕微鏡による検査では、お口の中の菌の種類や割合まで特定することはできませんが、真菌の発達具合と運動性の菌の状態を調べることで、虫歯や歯周病への罹患リスクを知ることができます。
位相差顕微鏡による検査は、当院で治療中の患者さまには無料で提供しておりますので、ご自身のお口の中をよりよく理解していただくためのツールとしてご利用いただければと思います。
唾液検査(リアルタイムPCR検査法)
歯周病菌には非常に多くの種類があり、いまだに働きが良く解明されていないのも含め、約500〜800種類の菌があるといわれております。
唾液検査(リアルタイムPCR検査法)は、患者さまのお口の中にいる歯周病菌の種類や数を特定することで、その人に合った歯周病治療や予防法を導き出すための検査です。
一言で歯周病といっても、その原因菌にも10種類以上の菌があり、それぞれの菌によって症状や特徴が異なります。
特に、慢性歯周病に大きくかかわりとされている「レッドコンプレックス」と呼ばれる3菌種:P.g.菌(プロフィロモナス・ジンジバーリス菌)、 T.f.菌(タンネレラ・フォーサイセンシス菌)、 Td.菌(トレポネーマ・デンティコーラ菌)が見つかった場合は治療が難航することが予想されますので、通院感覚を短くし、こまめにケアそしてあげるほか、ご自宅でも専用のメンテナンス用品を使用していただいてしっかりとセルフケアをしていただきます。
効率よく治療をすすめるためにも、まずはリアルタイムPCR検査法により、ご自身の症状の原因をしっかりと分析することが大切です。
当院の歯周治療
歯周内科治療
歯周内科とは、歯周病菌に効果のある薬(抗生物質)を用いて歯周病を改善する治療法のことを言います。
従来、歯周病の治療と言えば歯磨き指導と歯石除去などのクリーニングが中心でしたが、このような治療法では歯周病菌を完全に除去することは出来ず、重度ともなれば、「毎日長時間の歯磨きが必要」「ずっと通院していて先が見えない」などといった、精神的にも時間的にも大きな負担がかかってくることが多々ありました。
しかし最近では、位相差顕微鏡を用いて歯周病の原因となっている歯周病の原因となる細菌の種類、数を特定し、それらに効果のあるお薬を服用していただきながら、従来の歯周病治療を受けていただく「歯周内科」という治療法が普及しつつあります。
歯周内科治療の流れ
口腔機能水「次亜塩素酸電解水」
次亜塩素酸電解水とはタンパク分解型除菌水のことで、安全性に着目し人体への影響を最小限に抑えつつ、むし歯や歯周病菌への殺菌効果を最大限に高めた機能水です。
次亜塩素電解水の高い安全性と強力な殺菌力はさまざまな分野で注目されており、すでに殺菌・消毒剤や漂白剤、プールの水質管理、水道水の消毒剤、食品の保存料(食品添加物)など、さまざまな分野で利用されています。
次亜塩素酸電解水の効果
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
PMTCとは、医師や歯科衛生士が、専門器具を用いて歯面洗浄を行う事を言います。
歯の表面に付着したタバコのヤニ・紅茶コーヒーの色素などを取除き、歯面洗浄後、再石灰化を促進させるジェルを塗って歯質の強化をうながします。
PMTCで期待される効果
歯周外科治療(フラップ手術)
歯周病が中度以上に進行してしまった場合は、歯周ポケットが深すぎて、スケーリングやルートプレーニングでは歯周ポケットの奥にある歯石を除去することが困難になります。
そこで、歯茎を切り開き、直視下で歯根の奥深くにある歯石や汚れを取り出す外科治療(フラップ手術)を行います。
徹底的に汚れを取り除くことができるため、悪化してしまった症状を一度リセットするという意味ではとても有効な治療法ですが、患者さまの負担も大きく、また、状況によっては適用できない場合もありますので、歯科医師とよく相談しながら進める必要があります。
フラップ手術のメリット
フラップ手術のデメリット
再生治療(エムドゲイン法)
エムドゲイン法とは歯周病で溶けてしまった骨や歯周組織を再生させる治療です。
エムドゲインはスウェーデンのビオラ社で開発された薬で、「エナメルマトリックスデリバティブ」という豚の歯胚組織からつくられたタンパク質の一種を主成分としています。
このタンパク質が、歯が生えてくる時と同じ環境を作りだしてくれますので、初めて歯が生えてきた時と同じような強固な組織を作り出すことが可能です。
世界の約40ヶ国以上で使用されている安全性の高い薬であり、日本でも2002年に厚生労働省の認可を受けておりますが、残念ながら保険の適用範囲にはなっておりません。 また、すべての症例に適応できるわけではございませんので歯科医師とよく相談して治療を進める必要があります。
エムドゲイン法のメリット
エムドゲイン法のデメリット
再生医療(CGF)
CGF療法とは、患者さまご自身の血液を採血し、その血液から濃縮した血小板を採取して手術部位に填入することで組織再生を促す再生療法のことを言います。
自分の血液を利用するため安全性が高く、医科の分野においても広く活用されています。
歯周病治療においては、歯周病によって溶けてしまった骨の再生や歯肉移植を行った場合の創傷の治癒などに効果的ですが、CGF療法は現在のところ保険診療としては認められておらず、かつ、再生医療を行うには厚生労働省からの認可が必要であることから、対応できる医院はまだ少ないのが現状です。
しかしながら、再生医療を行うことでご自身の歯を残せる可能性が高まりますので、重度歯周病でお悩みの方は再生医療に対応している医院を基準として医院を選択されるとよいでしょう。当院でも多くの実績がございますので、気になる方はお気軽にご相談下さい。